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「定年前にやるべきこと、知っていますか?」
この問いに、すぐ答えられる人はどれくらいいるでしょうか。
定年前の多くの男性が、以下のような不安を抱えています。
- 退職金や年金の手続きは、何をすればいいのか
- 健康保険は、会社を辞めたらどうなるのか
- 毎月の生活費は、本当に年金だけで足りるのか
テレビなどを見ていた時は「ふ~ん、そうなんだ」と、どこか他人事のように感じていた定年後の暮らしも、いざ自分の事となると、かえって実感が湧かず「なんとかなるだろう」と後回しにしたくなりますよね。
ですが、この「間もなく定年」という事実を見て見ぬふりして先延ばしにしてしまうと、ほぼ確実に退職後に後悔することになります。
定年退職後に慌てて手続きをした人が、数十万円単位の損をするケースは珍しくありません。
あなたがそうならないように、この記事では、「定年前にやるべきこと」を、3つの時期に分けて整理しました。
この記事を読み終えれば、定年前から何をしておけばいいかが明確になり、上に挙げたような定年前後の不安がなくなります。
よだ 記事の最後にはダウンロードして使えるチェックリストも用意していますので、こちらも活用して後悔のない定年準備を始めてください。
定年前の準備を先送りすると何が起きるのか
「定年前にやるべき手続きは会社がやってくれる」
そう思っている方は多くいらっしゃいます。
しかし、実際はそうではありません。
定年退職に関わる手続きの多くは、本人が自分で動かないと、損する仕組みになっているのです。
定年前に準備しておかないと損する3つの落とし穴
では具体的にどのような点で損するのか、3つに絞って紹介します。
落とし穴① 健康保険の切り替えを期限内にしないと無保険になる
会社に勤めている間は会社の健康保険に加入されていると思いますが、退職日の翌日からその健康保険証は失効しますので、新しい保険に切り替えなければなりません。
保険への切り替えは「退職日の翌日から14日以内(任意継続は20日以内)」という厳格な期限があり、これを過ぎてから病院にかかると、一時的とはいえ医療費が全額自己負担になってしまいます。
さらに重要なのは、「どの保険を選ぶか」で支払う保険料が年間数十万円変わる可能性があることです。
退職後の健康保険には、主に以下の3つの選択肢があります。
前年の所得をベースに保険料が計算されます。そのため、現役時代の給与が高かった人は、退職1年目の保険料が非常に高額になりがちです。
2. 会社の健康保険を「任意継続」する(最長2年)
在職中の健康保険に引き続き加入できます。会社が半分負担してくれていた保険料も全額自己負担になりますが、保険料に上限が設けられているため、国保よりも安くなるケースが多々あります。
3. 家族の健康保険の「被扶養者」になる
条件(今後の年収見込みが130万円未満など)を満たせば、子どもや配偶者の扶養に入ることができます。この場合、保険料は一切かかりません。
落とし穴② 退職金の受け取り方によって、税額や社会保険料が変わる
退職金は「一時金(一括)」で受け取るか、「年金形式(分割)」で受け取るかで、最終的な手取り額が大きく変わります。
税制上、非常に優遇されています。「退職所得控除」という大きな非課税枠があり、例えば勤続30年の場合、1,500万円までは税金がかかりません。さらに、他の所得と切り離して計算される(分離課税)ため、税負担を最小限に抑えられます。
・年金形式で分割して受け取る場合
分割残金に利息がつくため、額面の総支給額は一時金よりも増えます。しかし、受け取ったお金は毎年の「雑所得」として扱われます。
最大の盲点は、年金形式を選ぶと毎年の「所得」が上がってしまうことです。
所得が上がると、それに連動して国民健康保険料や介護保険料まで上がってしまいます。
「額面は増えたけれど、税金と社会保険料を引かれたら、一時金で受け取るより損をしてしまった」という事態が起こり得ます。
落とし穴③ 年金の受給時期を安易にズラすと、思わぬ損益分岐点に泣く
原則65歳から受け取れる老齢年金は、受給開始時期を前後にズラすことができますが、一度決めると一生涯変更できません。
1ヶ月早めるごとに0.4%減額され、60歳まで早めると最大24%カットされます。「早くもらって安心したい」と考える人も多いですが、一生涯減額された金額になるだけでなく、「障害を負った際の手厚い障害基礎年金が受け取れなくなる」といった隠れたデメリットもあります。
・繰り下げ受給(66歳〜75歳)
1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額され、70歳で42%、75歳なら最大84%増額されます。「長生きすればお得」に見えますが、年金受給額が増えれば、やはりそこにかかる税金や社会保険料も増えます。 そのため、額面が42%増えても、手取りが42%増えるわけではありません。
いかがでしょうか。
色々とやるべきことがあって大変そうだと思われたかもしれませんが、これらの落とし穴は、準備さえすれば100%防げます。
次のセクションから、「定年前にやるべきこと」を具体的に紹介していきます。
3つの時期に分けていますので、焦らず1つずつ進めていきましょう。
定年1年前にやるべきこと(情報収集とシミュレーション)
退職の1年前は、まだ軌道修正が可能な貴重な期間です。
その余裕ある時間を使って、この時期にじっくり考えておくべきことが4つあります。
「なんとかなる」という思い込みを捨て、まずはご自身の現在地を正確に把握しましょう。
① 年金の「現実」を直視し、収支のギャップを知る
まず、自分が受け取れる年金額を把握することから始めましょう。
定年後の生活をどのように設計するかを考えるうえで、入ってくる年金の額は非常に大きな要素だからです。
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に、老齢年金の見込み額が記載されていますし、日本年金機構のサービス「ねんきんネット」に登録すれば、オンラインでいつでも確認できます。
どちらも簡単にできますので、定年前にやるべきことのファーストステップとしてサクッと終わらせてください。
厚生労働省の発表によると、夫婦2人のモデル年金受給額は月約22.5万円(2024年度)です。
一方、総務省の家計調査では、60代夫婦2人の平均生活費は月約26.4万円。
単純計算でも、毎月約3〜4万円が不足します。
この不足分を、退職金や貯蓄でどう補うかが、老後生活の鍵になります。
想像してみてください。
退職後、通帳を見て初めて「年金だけでは足りない。生きていけない。」と気づき絶望する自分を。
そのとき、すでに退職金の使い道を決めていたとしたら、手遅れになります。
年金受給額の把握は、定年後のすべての計画の出発点です。
② 退職金の「受け取り方」で手取り額を最大化する
退職金とひとくちに言っても、その受け取り方には大きく2種類あります。
退職金を「一時金」で受け取るか、「年金形式(分割)」で受け取るかは、老後の資金繰りを大きく左右する重要な判断の分かれ目です。
- 一時金:全額をまとめて受け取る
- 年金形式:分割して毎年受け取る
どちらが有利かは、勤続年数と金額によって変わりますが、ここで絶対に知っておくべきなのが、一時金には受け取り時に適用される「退職所得控除」という極めて強力な非課税枠があるということです。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
| 例:勤続30年 | 1,500万円(= 800万円 + 70万円 × 10年) |
| 例:勤続35年 | 1,850万円(= 800万円 + 70万円 × 15年) |
退職所得の課税対象は「収入から退職所得控除を引いた額の2分の1」で計算されるため、たとえば勤続35年で退職金2,000万円の場合、控除後の残額は150万円となり、実際の課税対象額はさらにその半分の75万円になります。
分割受け取りを選ぶと、雑所得として毎年課税されます。
よだ どちらが手取り額を大きくできるかは、他の収入とのバランスで変わりますので、退職1年前の段階でFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
③ 健康保険の「3つの選択肢」を天秤にかける
退職後の健康保険は、家計に重くのしかかる固定費です。
選択肢としては以下の3つがあるのですが、この中から最も有利なものを選択する必要があります。
- 任意継続:在職中の保険を最大2年間延長する
- 国民健康保険:市区町村の保険に切り替える
- 家族の扶養:配偶者や子供の扶養に入る
任意継続は、会社負担分がなくなるため保険料が在職中の約2倍になりますが、上限額が設定されているため、収入が高かった方は任意継続の方が安くなるケースがあります。
一方、国民健康保険は「前年の所得」をベースに計算されるため、退職初年度は任意継続が安く、収入が激減した翌年は国民健康保険が安くなることが一般的です。
いずれにしても、市区町村の窓口で事前に試算してもらうことを強くおすすめします。
④ 保険の「断捨離」で固定費を削る
現役時代に必要だった保障と、定年後に必要な保障は大きく変わります。
たとえば、子供の教育費のために加入した死亡保険は、子供が独立した後は不要になる一方で、医療保険や介護保険の重要性は、年齢とともに増します。
不要な保険を払い続けるのは、穴のあいたバケツに水を注ぐようなものですので、早めに見直しに取り掛かりましょう。
保険の見直しポイントは3つです。
- 死亡保障:子供が独立していれば大幅に減額できる
- 医療保険:入院日額よりも、がんや先進医療の保障を重視する
- 介護保険:公的介護保険だけでは不足するケースに備える
よだ 保険料の見直しで毎月1〜3万円の節約になる場合もあるので、軽視できませんよね。
定年6ヶ月〜3ヶ月前にやるべきこと(決断と準備)
残り半年を切ったら、生活設計を具体的に固めていく時期に入ります。
この時期にやるべきこととして重要なのは、働き方を固めて、お金の流れを見えるようにすることです。
① 雇用保険(失業給付)を戦略的に活用する
「定年退職だから失業給付は関係ない」と思うのは早計です。
というのも、以下の条件を満たせば雇用保険の基本手当(失業給付)を受給できるからです。
- 65歳未満で退職すること
- 退職前の2年間に、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上あること
- 仕事に就く意思と能力があり、ハローワークに求職登録をすること
定年退職の場合、給付日数は下記の通りです。
| 被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
たとえば、雇用保険に20年以上加入していた場合、150日分の給付を受け取れます。
日額賃金の50〜80%が支給されるため、総額にすると相当な金額になりますよね。
自己都合退職のような2ヶ月の給付制限は、定年退職には適用されません。
ハローワークへ申請後、7日間の待期期間を満たせば支給対象となりますので、申請はなるべく退職直後に行いましょう。
② 「再雇用・転職・完全リタイア」の方向性を決断する
定年後も同じ会社で働き続ける「再雇用制度」を利用するかどうかの意思決定も重要です。
現在、企業は希望する従業員を65歳まで継続雇用することが義務付けられており、多くの方がこの制度を利用しています。
しかし、「慣れた環境で働き続けられる」「安定した収入が確保できる」というメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。
再雇用の主な注意点
・現役時代と比べて、給与が大きく下がるケースが多い(一般的に5〜7割程度になることも)
・役職から外れ、かつての部下の下で働くことによるモチベーションの維持が難しい
・業務内容が以前と変わらないのに給与だけ下がるという不満を抱えやすい
「とりあえず再雇用でいいか」と安易に決めるのではなく、会社から提示される労働条件(給与、勤務日数、業務内容)をしっかりと確認しましょう。
その収入と、受け取れる年金や退職金などを総合的に踏まえ、別の会社へ転職するのか、完全にリタイアするのか、定年前の段階で方向性を決めておくことが「定年前にやるべきこと」として非常に大切です。
【重要】
再雇用を選ぶ場合、最も注意すべきは『現役時代との立場の違い』によるストレスです。
かつての部下が上司になる環境で、誇りを傷つけずにスマートに働くための心得については、事前に以下の記事をチェックしておいてください。
③ リアルな数字で「老後の収支表」を作成する
「なんとなく大丈夫だろう」「どうにかなるだろう」という軽い感覚で退職すると、現実と直面した時に後悔する恐れがあります。
そうならないよう、老後の収支を実際のリアルな数字で計算してみましょう。
・収入(年金受給額):約22.5万円
・支出(平均生活費):約26.4万円 ※総務省2022年データ
・結果:毎月 約3〜4万円の不足
これをもとに計算すると・・・
【将来への累積】
・1年間の不足額:約36〜48万円
・20年間の不足総額:約720〜960万円
毎月の数万円の赤字が、20年という期間では約720〜960万円という大きな不足につながります。
この不足分を、退職金・貯蓄・副収入でどう補うかを計算しておくことが重要です。
多くのファイナンシャルプランナーは「退職後は固定費を月3〜5万円削減できると、資産寿命が5〜10年延びる」と言います。
退職後に慌てて節約するのではなく、今のうちから住居費・保険料・通信費・車の費用などの「固定費」を見直しておきましょう。
シミュレーションで不足額に気づき、不安になられたかもしれません。
しかし、体力勝負のアルバイトに出たり、リスクのある投資に退職金をつぎ込む必要はありません。
資金ゼロ・店舗ゼロからスタートし、これまでの人生経験を活かして毎月安定した数万円〜20万円の利益を安全に稼ぎ出す『賢い選択肢』があるからです。
大切な老後資金を1円も減らさずに収益の柱を作る具体的な手順を、下記のページで解説しています。
④ 立つ鳥跡を濁さず。引き継ぎと必要書類の確認
仕事の引き継ぎが遅れると、あれこれと懸案事項が残ってしまうため、余計なストレスを抱えたまま定年を迎えることになります。
セカンドライフを気持ちよくスタートさせるためには「立つ鳥跡を濁さず」の姿勢が大切です。
そこで、退職3ヶ月前には以下の書類を確認・準備することをオススメします。
- 退職届(会社の指定フォームを確認)
- 年金手帳(会社に預けている場合は返還を依頼)
- 源泉徴収票(退職時に会社が発行、確定申告に必要)
- 離職票(退職後に会社が発行、雇用保険申請に必要)
よだ 「スムーズな退職こそ、心置きなくセカンドライフを楽しむための最低条件」と心がけましょう。
退職月〜退職直後(怒涛の手続きラッシュ)
退職直後は、期限付きの手続きが集中する「時間との勝負」です。
1つでも期限を過ぎるとペナルティや損失が発生しますので、退職後の最初の2週間で以下の手続きを確実に終わらせましょう。
① 健康保険の切り替え(退職日の翌日から14日以内または20日以内)
最も優先度が高いのが健康保険の手続きです。
退職日の翌日から14日以内または20日以内に、以下の区別に応じて新しい健康保険に加入する手続きが必要です。
→ 退職日の翌日から14日以内に、お住まいの市区町村の窓口に申請
必要書類:退職証明書または離職票、身分証明書、マイナンバー確認書類
任意継続を選ぶ場合:
→ 退職日の翌日から20日以内に、協会けんぽまたは健康保険組合に申請
どちらが安いかは、前年の収入と保険組合の保険料率によって異なります。
スムーズに選択できるよう、退職前に両方の見積もりを取っておきましょう。
② 国民年金への切り替え(退職日の翌日から14日以内)
会社員は厚生年金に加入していますが、退職すると資格を失います。
60歳未満で退職する場合は、退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で「国民年金第1号被保険者」への切り替えが必須です。
60歳以上であれば強制加入の義務はありませんが、65歳まで「任意加入」することで、将来受け取る年金額を増やすことができます。
③ 雇用保険の申請(ハローワーク)
失業給付を受け取る場合、以下の書類を持って速やかにハローワークへ向かいましょう。
申請後、7日間の待期期間が終わったあと、給付が始まります。
- 離職票(会社から受け取る)
- 雇用保険被保険者証
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 身分証明書(運転免許証など)
- 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 本人名義の銀行口座の通帳またはキャッシュカード
④ 確定申告の準備を始める
年の途中で退職し、再就職せずに年末調整を受けていない場合、翌年の2月16日から3月15日の間に自分で確定申告を行う必要があります。
払いすぎた所得税が還付される可能性が高いため、会社から受け取った「源泉徴収票」は絶対に紛失しないように保管してください。
・年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
・退職金以外に、副業収入や不動産所得がある場合
・医療費控除や寄付金控除を申請する場合
・退職後に再就職していない場合(所得税の還付が受けられる可能性)
定年後の生活で後悔しないための3つの注意点
手続き上の準備が整ったら、次は「定年後の人生をどう生きるか」を考えましょう。
定年退職は、人生の終わりではなく、第二の人生の始まりです。
しかし、何も考えずに定年を迎えると「やることがなくて毎日が暇」「外に出る理由がない」という状況に陥る人も少なくありません。
そこで、定年後の生活で後悔しないための注意点を3つご紹介します。
注意点1:老後の家計を「支出の削減」から見直す
定年後の生活費に関してはいろいろな不安があると思いますが、まずは無駄な支出を見直して削減することから始めてください。
家計を安定させるには手取りを増やすことも大事ですが、それよりも支出を削る方が即効性があるからです。
さっそく以下に掲げた3つの固定費から見直してみましょう。
- 通信費:大手キャリアから格安SIMに変えると、月1〜2万円削減できることがある
- 保険料:不要な保険を解約・縮小すると、月1〜3万円の節約になる場合がある
- 車の維持費:2台持ちを1台に減らすと、年間30〜50万円の節約になる
固定費は文字通り「固定された費用」ですので、一度削減してしまえば、その後は固定されて毎月自動的に節約が続きます。
「努力しなくても節約できる仕組み」を、退職前から整えておきましょう。
注意点2:「定年うつ」にならないようにメンタルケアを習慣化する
定年退職後に、うつ状態になる人がいます。
これは「定年うつ」と呼ばれ、役割や肩書きを失ったことによる喪失感が主な原因です。
特に、仕事に人生のすべてを捧げてきた方ほど、リスクが高い傾向にあります。
定年により仕事という生きがいを失い、それまで輝いていた自分とのギャップに苦しむからです。
定年うつのサインとして、下記のようなものが挙げられます。
このような傾向が見えてきたら注意です。
- 何もする気がわかない
- 1日中家にいることが多くなる
- 体の調子が悪いと感じることが増える
- 以前楽しかったことに興味が持てなくなる
このような「定年うつ」を予防するには、退職前からメンタルケアを習慣にしておくことが有効です。
特に、自分にしか意識が向かず内向的になると「定年うつ」になりやすいので、本を読んで他の人の人生を追体験したり、日記を書いて自分の気持ちを言葉にしたりするなど、自分の心を狭い世界に閉じ込めないようにする簡単な方法から試してみてはいかがでしょうか。
役割を失った喪失感から無気力に陥ってしまう『定年後の退屈』は、決して他人事ではありません。
家庭内での居場所を失い『退屈地獄』に陥るのを防ぐための具体的な外出術については、以下の記事で詳しくまとめています。
注意点3:無理のない範囲で趣味・コミュニティを楽しむ
定年退職後の満足度は「会社員ではなくなった自分の生活をどれだけ充実させられるか」にかかっています。
想像してみてください。
月曜日の朝、行く場所も会う人もなく、家でテレビを見ている自分の姿を。
それが毎日続くとしたら、どう感じるでしょうか。
定年後も充実した毎日を送っている人に共通しているのは、先ほど書いたような「会社員ではなくなった自分」を楽しんでいるという点です。
ただし、ここで無理に新しい友達を作ったりコミュニティに参加したりするのは禁物。
私は20年以上介護業界で働く中でたくさんのシニアの方と接してきましたが、女性に比べ男性はこのような新しい環境に入っていくのが圧倒的に苦手です。
20代のうちから絶えずいろいろなコミュニティに参加してきたような経歴でもない限り、定年後にいきなり新しいコミュニティに入るのは大きなストレスになってしまいます。
晴れて定年退職したのに、その後もストレスと付き合う日々なんて送りたくないですよね。
であれば、無理にそのようなことをする必要はありません。
まずは、自分のやりたいことを自分一人でやる。
そうするうちに、少しずつ趣味として活動する範囲が広がり、自分の望む形で自然に友達が増え、コミュニティにもスムーズに入れるようになるはずです。
よだ 趣味やコミュニティへの参加は、無理のない範囲でマイペースに進めていきましょう。
定年前にやるべきことのチェックリスト(ダウンロード可)
いかがでしたでしょうか?
定年は、突然やってくるものではありません。
今この瞬間から準備を始めた人と、後回しにした人では、退職後の生活に大きな差が生まれます。
「知っているかどうか」だけで、数十万〜数百万円の差が出る——これが定年前の現実です。
まずは1つだけ、今日から始めてみてください。
小さな一歩が、後悔のない定年につながります。
最後に、定年前にやるべきことをチェックリストにまとめました。
リスト下部のボタンからPDFをダウンロードできますので、ぜひ印刷して、1つずつ確認しながら活用してください。
□ ねんきん定期便で年金受給額を確認した
□ 退職金の受け取り方(一時金 or 年金)を検討した
□ 健康保険の選択肢(任意継続 or 国保)を比較した
□ 生命保険・医療保険を見直した
□ 無理のない範囲で趣味・地域活動などに参加し始めた
□ 雇用保険の受給条件・給付日数を確認した
□ 再雇用の条件を確認し、利用するかどうかの方針を決めた
□ 老後の収支表を作成した
□ 固定費の見直し(通信費・保険・車)を始めた
□ 引き継ぎ計画を立てた
□ 必要書類のリストを確認した(年金手帳・離職票など)
□ 健康保険を切り替えた(退職日の翌日から14日以内(任意継続は20日以内))
□ 国民年金の切り替え手続きをした(退職日の翌日から14日以内)
□ ハローワークで雇用保険を申請した
□ 源泉徴収票を会社から受け取った
□ 確定申告の準備を始めた




